京都フォーシスターズレジデンスにご宿泊されるお客様に、和食が食べられる店としてつるや勇寿をご紹介いただいています。その大半は海外のお客様です。店には英語メニューはないのですが、私たちの拙い英語に、おもてなしの気持ちをプラスする事でお客様のご要望を汲むことができます。最初にアレルギーや食べられない食材をお伺いして、あとはおまかせで料理をご提供するという形です。みなさんとてもリアクションが良いですね。調理場に並んだ包丁や日本のおばんざいなども海外の方にとっては新鮮だと思いますが、ローカルジャパニーズレストランとして純粋に食事を楽しんでいらっしゃるようですね。

「お客様が和食をとても気に入ってくださった」と後から聞いて、私としても張りが生まれます。

以前、海外の女性のお客様が食事を楽しんで帰っていかれた後、15分くらいしてからお店に戻ってこられたことがありました。何かと思えば、自国のチョコレートをプレゼントしてくれたんですよ。こんなふうに、その場で生まれる海外のお客様とのコミュニケーションを私たちも楽しませてもらっています。他にも帰国された後にご友人に紹介してくれて、そのご友人が日本に来たときにうちの店を利用してくれたりなんてこともあります。河原さんのおかげで、国境をこえた『人と人との繋がり』を感じることができています。単に店主とお客様という関係だけでは生まれないご縁ですね。いつもいろんな方との出会いや繋がりをつくってくださっているのが河原さんです。

つるや勇寿は2016年3月に開店しました。私は関東出身、妻は東北出身なのですが、京都の人たちに助けられてお店を続けることができているなと実感しています。京都の方たちは、手厚くサポートしてくれて、やさしい方が多いですね。観光都市である京都でお商売をさせていただいていることに大変感謝しています。
いつも来てくださる常連さんも、一度しかいらっしゃらないかもしれない遠方のお客様も、同じように料理を喜んでくださることが私にとって何よりも嬉しいことです。一期一会の出会いを楽しみつつ、これからもご縁が広がっていくように願っています。

料理人にできることは美味しい料理の提供ですが、食事の場ができることには多様な可能性があります。私たちの店に立ち寄ってくれたことによって、「楽しい時間が過ごせた」「話の合う友人ができた」など、料理の美味しさのほかに、思いがけないプレゼントをお客様に持って帰っていただけたらなと思っています。
そして再び、店に足を運んでくださった際にはお客様の笑顔に出会えますように、いつお越しいただいてもホッとしていただけるような場所にしたいです。心地よい距離感でお客様とお付き合いさせていただければ嬉しいです。

開店から３年半になりますが、地域の方たちのご協力もあり、おかげさまでお店は少しずつ認知されてきました。もっともっとたくさんの方にお越しいただき、係わり合いが広がっていきますようにこれからも精進してまいります。