夢を描き続ける大人であり続ける
YUJI KIRIHATA
株式会社 Y’s GARAGE
代表取締役 桐畑勇志
22歳で独立、約30坪のガレージで車販売をスタートし 現在は京都トップクラスへと成長したY’s GARAGEを経営する桐畑氏。 飽くなき挑戦の原動力、そのスピリットに迫る。
Photos 大山雄大 Yudai Oyama
Styling, Hair&Make-up 足立詠美 Emi Adachi
Costume VOGA
Words 浅野晶 Akira Asano
座右の銘は何ですか?
「能力より決意」。これは、いくら学んでも能力が備わっていても、「絶対に成し遂げたるねん。雨が降ろうが雪が降ろうが関係ない。決めた目標をあきらめずにやり切る」といった本気の決意がなかったら意味がない、ということです。決意が変われば行動が変わるし、行動が変われば結果が変わる、そういうプラスのサイクルになる。この間、ある社員が「今月こんだけやる」と言ってきたので、さっきの言葉「能力より決意」を紙に書いてやったんです。「スマホで写真撮れ!待ち受けにして毎日読んで寝ろよ!」って言って。そうしたら実際に彼の数字が上がっているんですよ。
チャレンジがなければ今はない
桐畑さんにはアグレッシブさを感じます。
成長とか、好きですね、前進とか。致命傷になりかけた大きな失敗も多かったですが、チャレンジの数がたくさんあるから、それだけ失敗もあるっていうことです。ちょっとぐらいのリスクだったら、よくよく考えて、やってみる。新しいチャレンジはやっていてもワクワクするし、もしやってきていなかったら、今はないと思う。大きい成功を収めた時も、失敗した過去があるので、調子に乗らないように一応、ブレーキをかけるようにもしています。今年は鈑金も自社で運営したり、レンタカー事業もやりたいと思っています。車に関することででチャンスがあればチャレンジしていきたい。関西を中心として10年以内に5店舗出店をし、100億円企業を目指します。そういった中で、社員の中にも「店長になりたい」といった夢が出てきているので、チャレンジさせられる土俵を与えていきたいですね。成功体験の積み重ねをさせたいので。
夢を描き続けることを教えてくれた
前向きな桐畑さんの経営哲学のルーツは?
20年前、独立してまだ一人で経営していた頃に、たまたま誘われていった研修で紹介されて、ある同業者の先輩と出逢ったんです。それから、一緒に食事したり旅行に行ったりしている間に、その人はあれよあれよという間に、事業をぶわーーーっと伸ばしていったのを目の当たりにしました。成功する経営者の発言や振る舞いが、すごく刺激になりましたね。今となっては友達みたいに可愛がってもらっていますが、色々教えていただいたんです。「夢を持て!鮮やかにカラーで描くんや。白黒はあかんぞ、思考は現実化するんや」という考え方や、「社員がお前の会社に勤めてもうてることだけでもありがたいと思え。自分のことばっかり考えてたらあかんぞ」などという、教えをたくさんいただいた。その人のおかげで頑張ってこられました。今そのことを話すと、「そんなこと言ってたっけ?よう覚えてるな」って言われるんですけどね。
社長としてでなく、人として
高い社員満足の秘訣は?
良い点、改善点とその理由を伝えることでしっかり理解してもらいます。納得して仕事ができなければ、お客様にいいサービスができるわけがないからです。そのようにして社員とは、いっしょに目標という山を登っていきたい。険しいけどぐっとついてきてほしい。「お前、ここまで登ってこれたな」と言って、一人でも多くのメンバーといっしょに成長を分かち合えたら最高ですね。そのために、会議やミーティングで具体的に発信しているつもりです。給料上げたる、休みも年々増やしたるって宣言し続けていますが、そのためにはいくらの原資がいる、そのためにはこんなことがいる、だからこうやって目標掲げるんや、それが俺の第一コミットや、と。社員とはビジネスパートナーであり、共に人生の成功者でありたいから、社長というより、人生の先輩として話しますね。「俺やったらこうしたらええと思う」とかね。
失敗続きだった自分へ
過去のご自身に声をかけるとしたら?
ま、諦めるなよ、ってことですね。「絶対諦めんなよ、諦めた時点で終わりやぞ!」ってね。今思うと、失敗も多くて、もうあかん、もう俺ヤバいっていう時もいっぱいあったので。そういう時はもう、「乗り越えるしかない!策を考えるなりして、動かなしゃーない。」「辞める選択肢はないし、やるしかない。やるしかないんやったら本気でやろう」と。今、全部がぶわーーっと伸びたので、諦めたらダメですね。最後まで諦めなければ、失敗もただの通過点に過ぎない。やっぱり大事なのは、そこです。
商売にホームランはない、バントの積み重ね
ビジネスの上で心がけていることは?
「継続は力なり」ではないのですが、当たり前のことを当たり前のように、いかに継続してやり続けられるかが大きな財産になるので、ロールプレイングや、基本的なことを何年も何年もやりつづけています。同じことを繰り返すっていうのは、簡単なようで難しい。けど、これの繰り返しが精度を磨く。即効性はないけど、急に大きい会社が隣にきても揺るがないアドバンテージができています。
本気で怒る社員たちがいる
やってきてよかったなぁと思える時はどんな時ですか?
その時その瞬間って、あまり感じないですよね。振り返った時に、あっ、と気づくことはあります。例えば忘年会や社員旅行の時に「ああ、こんなに社員が増えているんやなぁ」とか。あとは、社員同士のやりとりを見ていて、リーダーや店長が発言をしたときに「ああ、こいつ成長しよったなあ」と感じたときは、俺の言い続けてきたことが浸透しているなと感じられて、嬉しいですね。やっぱり中小企業って、社長以外に本気で怒れる社員って少ないんですよね。ナンバー2やナンバー3が、社員に本気で怒ったり、後輩を飯に連れて行ったりしているのが見られると、ああ、なんか成長してるな、と気づきます。そいつも会社もね。
宝物は何ですか?
経営者組織で撮影された「胴上げ写真」かな。昨年、代表に任命された時、いろんな目標を掲げたんです。中でも在任期間6か月で会員を39人から60人に拡大すると。これってまあまあ高いハードルだったことなんですけど、絶対にやると決めて、どこに行っても言い続けたんです。そうしたら、みんなが共鳴してくれて、最期にみんなの力で達成できました。その時に胴上げされていたのを、うまいこと撮ってくれたんです。 思考は現実になるって、本当なんだなって再認識できましたね。みんなで積み上げたベースがあったからこそですし、いろいろ重なって何かひとつでも抜けていたら、成し得なかったことだろうから、これは「ほんま奇跡やな」と思いました。
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