土井さんの第一印象は、「人見知りなのかな？」と思っていました。職人さんらしい風格がありましたし、それほど口数が多いほうではなかったので。それから１ヵ月もしないうちに仕事の都合で八幡のほうに行く機会があったので、お店に寄ったんですよ。すると、あの人懐っこい笑顔で歓迎してくださって。あの瞬間から土井さんのイメージはガラリと変わりましたね。以降、プライベートでもお酒に付き合ってもらったり、仲良くしてもらっています。

土井さんの魅力は行動力の高さです。人の懐に飛び込んでいくのが上手く、どんどん周りを巻き込んでいきます。その行動力は私も見習いたい部分です。ブルドーザーのように前に前に突き進んでいき、時々ブレーキが利かないこともありますけどね。でも、「土井さんやったら仕方ないな」と許せてしまう憎めなさがあります。私とは正反対の方なので、一緒にいて飽きないですよ。

今までにいろんな鰻を食べてきていますが、ピンとくるものには出会えていなかったんです。でも土井さんのお店の鰻を食べて、「鰻って美味しいんやな」と初めて心から思えました。ここ一年は人生でいちばん鰻を食べていますね。言葉で表現するにはもったいないくらいの旨さなので、ぜひ一度味わってほしいです。

その人が言いたいこと、感じていることを、上手く言葉にして代弁するのが私たちの仕事でありミッションです。時代とともにコミュニケーションツールは変わってきましたが、本であっても、WEBであっても、やるべきことは同じ。私たちのなかには、「言葉をつむぎ、価値あるコンテンツへ」という思いが焼き付いています。
経営者としては、クリエイティブの人たちがもっと活躍できる場をつくりたいと思っています。こういう業界って、昔から過酷なイメージがありませんか？文章を書くのが好きで編集プロダクションに興味を持ったとしても、続けていくのが難しくて辞める人が後を絶ちません。私たちのような業界を目指す若い人たちが、イキイキと活躍し続けていけるような土壌をつくりたい。そのためには個々の力だけではなく、組織的な改革が必要だと感じています。私たちのミッションは、言葉をつむいでいくこと。それには、つむぎ手の環境を整えることも大切です。